A.我々は何を伝えるのか
1.我々は「神のことば」を伝える 〜 「イエス・キリストの名を信じる」、「互いに愛し合う」
伝道の内容とは「神のことば」であると定義できるだろう。「神のことば」とは神の意図や意思、価値観を表現するものであり、神の命令とも言い換えられる。神の命令とは、Ⅰヨハネ3:23によれば「イエス・キリストの名を信じ」ることと「キリストが命じられたとおりに互いに愛し合うこと」である。我々は「イエス・キリストの名を信じること」を伝え、「互いに愛し合うこと」を伝えるのである。
2.イエス・キリストの名を信じる 〜 互いに愛し合う
イエス・キリストの名を信じる者は神の子として生きる(ヨハネ1:12)。そして、神の子すなわち神から生まれた者は神を愛し、同じく神から生まれた他者をも愛する(Ⅰヨハネ4:21,5:1)。つまり、イエス・キリストの名を信じることは神への愛と互いに愛し合うことに通じている。こうして、伝道の内容である「イエス・キリストの名を信じること」と「互いに愛し合うこと」とは連なっている。
B.我々はどうやって伝えるのか
1.我々は「互いに愛し合うことを通して」伝える
Aにおいて、伝道の内容は「イエス・キリストの名を信じること」と「互いに愛し合うこと」であることを確認し、さらにそれら二つは連なっていることを見た。これらの伝道の内容に「我々はどうやって伝えるのか」ということが既に含意されている。すなわち、我々が神のことばを伝えるという伝道の姿は、互いに愛し合うことを通して表現される。それはヨハネ13:35の示す通りであり、互いの間に愛があることによって、我々がキリスト者(キリストの弟子)であることを周囲は理解するのである。
2.「互いを大切にする」 〜 神の愛が表される
我々が神のことばを伝えるという伝道の姿は、互いを尊ぶことを通して表現される。それはⅠヨハネ4:11,12でも示されている通り、私たちが互いを大切にすることにおいて、神が我々の関係に示され、神の愛が我々の関係に表されるからである。神を見た者はいなくとも、互いを尊重する生き方を通して、人々は神の愛を知るのである。