「光は闇の中に輝いている。闇はこれに打ち勝たなかった。」(ヨハネの福音書1章5節)
光があると闇が消えます。闇の方が大きくても、光があれば進んでいくことができます。一歩踏み出すとこには光が射していて見えるからです。
私は若い頃看護師として眼科で働いていたことがあります。その時、視力測定は「光が見える」から始まって、何がどう見えるかで視力を測っていくことを学びました。また、どんなに目や目の神経、脳の働きが正常であっても、光がなければ何も見ることができないということもわかりました。
今、日本の都市部で生活していると、真っ暗な闇の中に入るような場所はありません。薄暗いだけです。私は、何年も前のことですが、友人とアジアの地方都市郊外にある遺跡へ旅行したことがあります。そこに地下に降りる穴がありました。何かを貯蔵するために掘られたものだったかもしれません。なだらかな坂になっている穴を降りていくと、突き当たりの右手に洞窟のようなところがありました。そこは、足元30センチメートルくらい先までしか見えません。目が慣れるまでと思って1〜2分じっと闇を見つめて待っていましたが、ずっと同じでした。灯りを持っていない私たちは、諦めて戻りました。光がなければ何も見えないということを経験した時でした。
何も見えない、そこがどうなっているかわからない時、私たちは灯りなしにそこへ進んでいくことはできません。小さな灯りでも、少し先を照らしていてくれれば進むことができます。「世の光」ラジオ放送は、私たちにとって生活の灯りになっていくようなものだと思います。「あなたのみことばは、私の足のともしび 私の道の光です」と聖書には書いてあります。また、イエス様は、イエス・キリストを信じる人たちは「世の光」だと言われました。どんなに小さな光でも、光があれば闇は無くなります。そして、希望と勇気を与えられて、進むべきところへ進んでいくことができます。「世の光」の放送が、闇の中を歩いているように感じておられる方々の光となりますように。