RCCラジオ505 福音放送 「世の光」ニュース 2020年9月20日発行213号
中国地方放送伝道協力会
「神のなされることは皆その時にかなって美しい」日本バプテスト広島キリスト教会 牧師 播磨 聡
「神のなされることは皆その時にかなって美しい」口語訳聖書「伝道の書(コヘレトの言葉)3章11節」の言葉です。神さまのなされることはすべて時に適っている。時宜にかなっている。そして、美しく、麗しい御業です。コヘレトの言葉には、特徴的な世界観・人間観があります。
象徴的なのは、1章2節「空の空、空の空、いっさいは空である」です。「空(へベル)」。それは、この世と人間のはかなさ、無常さを表し、同時に人間は自らを保障するものを何も持っていないと告白する言葉です。
そして、そのとおり人間は無力で、はかなく、必ず死を迎える存在で、先のことも分かりません。悪人が栄え、義人が報われない世界です。
しかし、それでも神への信頼をもってコヘレトは言います。「神のなされることは皆その時にかなって美しい」と。人間は空しく、希望は無いけれども、神はその時にかなって美しい御業を成し遂げてくださるのです。
私たちも、自らを嘆き、他人に失望し、この世に希望を見いだせなくなっても、それでも、“神さまの御業は時にかなって美しい”と告白していきましょう。
旧約聖書の人々が、“いつまで待てばよいのですか”と待ち続けてきた救い主は、時至って、私たちの救い主として来てくださいました。希望をもって神の時を待ち、今を生きて行きましょう。
新型コロナウイルス感染拡大により、私たち教会も戸惑い、揺れました。教会に集まることが困難となり、教会での礼拝を中止する事態にもなりました。
それでも礼拝を共に捧げるためにあらゆる方法を模索しました。兄弟姉妹、求道中の方々と連絡を取り合い、声をかけ合い交わりを保ち続けてきました。
そのような中で、ラジオ「世の光」の放送は、途絶えかねない御言葉との出会いを与え続けてくださいました。そして、今、新しい形の礼拝、伝道についても少しだけ手応えを感じるようになってきました。
まだその渦中にありますが、この自粛せざるを得なかった時をさえ、神が意味を与えてくださることを信じ、「神の時」を待ち、福音を伝えていきましょう。「神のなされることは皆その時にかなって美しい」のです。